🇮🇳アジャンター石窟群 / 世界一周103日目

朝、チャーターしたタクシーでデカン高原を走り、世界遺産のアジャンター石窟群へ。途中の道は絶賛制作中で、暫定的に作られた横の砂利道をひたすら走るため速度が出せず、またかなり揺れる。この辺ではツノに色を付けている牛を多く見かける。オレンジ、青、シマシマ等様々だ。

ゆっくりと走り続けること3時間半、やっとアジャンター石器群のパーキング入り口へ。そこからバスに乗り換え行くため、ホテルを出てから4時間かけて到着する。バス乗り場で待っていると、野良通訳ガイドの売り込みが。基本断ってもずっと売り込みを続ける。日本語で遺跡の説明をして、きちんとガイドができることをアピールしたり、仕事が無いと収入がなくて困ると泣き言を言ったりと、あの手この手で売り込み続ける。別の観光客が来ると器用にすぐターゲットを変えて売り込みに行ったりと、商根たくましい。そしてほとんどの外国人に声をかけていて、英語、ヒンディ語、日本語、フランス語、スペイン語と5カ国語でガイドができるそうで、余った時間では言語学習をしているそうで。昨日出会ったガイドも6カ国語が喋れるとのことで、みんな仕事を得るためのモチベーションとは言え、勉強熱心だ。

アジェンダー石窟群は岩山を掘って作られた仏教の石窟群で、千年間も発見されず、そのため仏教国から宗教が変わっていったインドでも破壊されずに残っていたという場所。たしかに岩山だらけの間の渓谷にあり、発見されなかったのもうなずける。

30窟ほどあり、中には古い仏教絵画から、仏像が無かった時代に祈っていた肋骨デザインの内部にある仏塔、またその後の仏像まで、様々な仏教美術を見ることができた。が、先日エローラにも行き、そこの1〜10窟でも似たようなものを見ていたためあまり真新しさは無かったのであった。ただつまらない、ということは無く、今までに見たことがなかったタイプの仏教美術・彫刻をいくつも見ることもでき、見れる全窟を4時間ほどかけて回った。

帰りもたっぷり4時間以上かけて帰る。1日8時間も車に揺られ、だいぶ疲れた日だった。

——

先日のエローラの写真がiPadでちゃんと見ると、やたら手ぶれが多いなぁと思っていたらレンズ側の物理スイッチで手振れ補正がオフになっていたことを今日気づく。意図せず切り替わってることがあるし気付きにくい(旅行で2回目)、三脚を使わない旅行なので本体側で強制オンできると良いのだけど。

🇮🇳ダウラターバード砦跡とビービー・カ・マクバラー / 世界一周102日目

今日はとても楽しい1日だった。

朝食はホテルで出前のドーサとワダ。朝食付きのプランだったので、てっきりホテルかその周辺の食堂で朝食、かと思ったら、食べたい物をあらかじめ伝えておくとUberEatsで出前をとってくれて部屋で食べる、という新しい感じだ。なおインドではUberEatsも他社に買収話が出るほど盛況だ。

11時ごろから、インド三大砦と言われるダウラターバードの砦へ。一時期は王朝の首都がデリーからここに移されたという、過去繁栄した場所だ。ガイドブック曰く、ジョードブるのメヘランガール砦、ハイデラバードのゴールコンダ砦、それにこのダウラターバードの砦がそうらしい。エローラ石窟群に行く途中なので、昨日の帰り際によろうとしたが行けなかったため、今日再度向かったのだった。

砦は岩山にそびえ、メヘランガール砦が綺麗に観光地として整備されている感じとは違い、「遺跡」的な砦であちこちが崩されているのだが、逆にそれが歴史を物語っていてこれはこれで良いなぁ。崩れている廃墟の城、というと日本人ならラピュタを思い浮かべてしまうのだが、まさしくそんな感じだ。

庭、堀、外壁、城内、なだらかだけど長い階段をたっぷり一時間弱をかけて登る。途中も風景がどんどん変わり飽きない。そして登り切った頂上からは、デカンの平原が見渡せ大変綺麗だ。

登っている最中、いろいろな人たちにフレンドリーに声をかけられ、昨日以上に写真を一緒に撮って!と頼まれる。修学旅行中の学生や先生、若者、夫婦、子供、おじさんおばさん、また二カーブを纏った目元以外は全身黒装束のムスリルの女性まで、ひっきりなしに声をかけられる。ただの日本人なのだが、たしかに砦ではほぼ外国人がおらず珍しいのだろう、芸能人さながらの人気だ。みんな一声かけてくれ、握手をし、ありがとう、と礼儀正しく接してくれる。英語でどこからきたの?インドはどうだい?等の会話もはずんで大変楽しい登山(?)となった。

三時間以上は砦を満喫し、つづいてベイビー・ダージマハルとも呼ばれるビービー・カ・マクバラーへ。ここはダージマハル同様、お妃のお墓として建てられた廟なのだが、ダージマハル建設で費用が嵩んだ結果、ダージマハルほど豪華には作れなかったという場所だ。なので、あまり期待せずに行ったのだが、美しいイスラーム建築で十分豪華に建てられており、しばし魅入る。日本にいるとイスラームの美術を見ること自体が稀なのだが、海外でイスラーム建築・美術を見ると、美しすぎて感心する。

ここの廟でも、先ほどの砦と同じく老若男女に写真をとられ(合計百人以上との写真に映ったであろう)、とりわけ人気の妻は大変疲れたようだったが、いろいろなインドの人とも話せて、行った二ヶ所の観光地も見どころたっぷりで大変楽しい1日だった。エローラとアジャンターという二大世界遺産がアウランガーバード側にあるため、今日行った観光地はあまり取り上げられないが、大変良かったのでおすすめである。

しばしホテルで休んだ後、近くの屋台で晩ご飯。大盛りビリヤニ50rs(75円ほど)、パン付きオムレツ20rsとお安く大満足の夕食だった。インドは安いものはとても安い。最近好んで食べるスナック菓子も5rs、160mlのフルーツジュース各種も10rs、鉄道バスは初乗り5rs、洗剤一袋10rs、コーラ20rs、ホテルに頼んだランドリーサービスはジーンズとフリースで60rsと、日常の生活費は東南アジア諸国よりさらに安い。

そんな感じで、とても充実した楽しい1日。新しい体験・発見をする日は多いが、純粋に楽しかったなぁ、と振り返れる日は久しぶりであった。

🇮🇳エローラ石窟群 / 世界一周101日目

アウランガーバードから車で40分ほどの世界遺産、エローラ石窟群へ。岩山に掘られた石窟が34窟もあり、古くは仏教から、ヒンドゥ教、ジャイナ教と三つの宗教の石窟が連なっていることでも稀な場所である。

到着するとインドらしいよく言うと商売熱心、悪く言うと何十人もの物売りがおし寄ってくる、観光地らしい場所。最初は500rsと言ってきたパンフレットが要らないと言い続けると最終的には50rsになったりして面白い(買わないのだけど)。石窟群の入り口周辺には、日本では見ない毛が白い、大きな猿が数十匹とたむろしていた。

まずは初期に作られた仏教の石窟群へ。瞑想のために作られた、数多くの何もない真っ暗な部屋がある。仏教彫刻とそのような部屋がたくさん、の石窟群がこれまたたくさんあり、これを掘るのにどれだけの労力が掛かったのだろう、と感慨にふける。どの窟も彫刻、内装等々、興味深く見れて仏教の石窟だけで二時間はたっぷりかけ周った。暗い場所も多く、小型のライトがここでも役に立った。また久しぶりに天井にびっしりのコウモリの群れも見てゾワっとした。なおその辺コウモリだらけというわけではなく、一箇所だけであった。

まわっている途中、修学旅行なのか小中高校生ぐらいの団体に何度も出会うが、団体写真に一緒位映ってと言われたり、セルフィー一緒にとってよと大人気。それ以外にも、家族写真やインドの赤ちゃんを抱き抱えてのツーショット写真など、まるで芸能人になったかのようにそこら中で声をかけられる不思議。日本人が珍しいのかなぁ。とりわけ妻は大人気(女性なので、たぶん普段は女性と写真を撮ることがないインドの男の子に人気だ)で、今日だけで20〜30枚はそのような写真を撮られていた。私もよくダシに使われて、まず私と写真を撮ってから妻にも頼む。

続いて、年代の順序的にはヒンドゥ教の石窟群なのだが、ちょうどシャトルバスが来ていたこともありすこし離れているジャイナ教の石窟群へ。戒律が厳しいことで有名なジャイナ教の遺跡は初めていくが、彫刻では服を着ておらず全裸な物が多く、物を持たないことを良しとする宗教ならではだなぁと感じた。

最後にメインのヒンドゥ教の石窟群へ。とりわけ非常に有名な16窟・カイラーサナータ寺院はその大きさに圧倒される。普通に見ると岩山に囲まれた大きな石の建物があるのだが、これが巨大な岩山を人がくり抜いて作った彫刻建築、というあまりにもスケールが大きな話で、100年の歳月をかけて20万トンの岩を掘り抜いた、というのだから圧巻。とても異質な場所で、実際に行かないとわからない感じで神秘さを感じた。ガイドブックには『16窟を最初に見ると他が平凡に感じるので、後から見るのも良いであろう』みたいなことが書いてあったが、まさしくその通りで、その後に見たヒンドゥ教石窟は記憶に残らなかった。最初に見ないでよかった16群。

一通り見て終わった後、帰り道にも観光地がいくつかあったので立ち寄りたかったが、昨晩油物をたくさん食べたからか、石窟群をまわっているときに何度も腹痛になり、体力を消費していたので大人しくホテルへ帰宅する。今日は腹痛の気配があったので、日本から持ってきた腹痛薬はあらかじめ飲んでおいたのだが効かず(日本では毎度確実にきいていた)、こないだインドで買った腹痛薬はホテルに置いてきてしまっていたのであった。

🇮🇳ムンバイからアウランガーバードへ / 世界一周100日目

朝、6:15の電車でムンバイからアウランガーバードへ。念のため早めと5:30ごろの駅に着くと、駅の床で寝る人たちをたくさん見かける。駅に来る道路の最中でも、みんなその辺の床で寝ていたりする。列車は2Sクラスは自由席なのかもうすでに人でいっぱい。自分たちが乗るCCクラスはこの時間ではまだほぼ人がおらず。

定刻通りに出発し、30分ぐらいごとに駅にとまる。席も悪くないし、バスと違っていつでもトイレに行けるし、トイレも思った以上に広くて(インド国内の比較では)クリーンで快適だ。うとうと寝たり、風景を見たりでわりとすぐに七時間がたって定刻ぴったりの13:15にはアウランガーバード駅に到着。

ホテルにつくと、昨晩あまり寝てなかったため、かつ列車内で寝たとはいえ疲れはあまり取れてなかったためか、ぐっすりと昼寝をする。夕ご飯はカシューナッツ(kaju)カレーとビリヤニ。美味しかったけど、両方油が強い。たまたまホテル前でグァバを売っていたので口直しに購入する。ナイフで八当分の切り目を入れ、食べやすい大きさにしてくれ、また塩をつけるかどうか聞かれたのでつけてもらう。初めて食べる生グァバは、ねっとりとしたあまり甘くない洋梨のような感じだ。種が思った以上に結構あり、スイカのように食べる。塩はない方がよかったかな。

——

もう日本を立って100日かぁ。あっという間に過ぎたような、そうでもないような。毎日飽きない体験をしていることは間違いないなぁ。

🇮🇳ドービーガード・ムンバイの砂浜 / 世界一周99日目

昨晩、お腹いっぱいにカレー(ほぼ油)を食べたからか、うまく消化できなかったようで、深夜寝ている途中に自分の吐瀉物で息が詰まり目を覚ます。人生初の寝ている最中の嘔吐。寝ている最中の無意識の応答は窒息死する可能性もあり、死なずに良かった。

午前中は先日とった鉄道切符の待ちリストの進捗が悪く、このままでは明日の電車に乗れるか不明だったので、Tatkalと呼ばれる直前日発売の緊急優先チケットを購入すべく、10:15分発売のためアプリを立ち上げて購入にチャレンジ。残りわずかだったが、妻の方が無事買え(自分はビジー状態で繋がらず)、明日の鉄道チケットが確定しホッとする。

お昼はタンドリーチキンとビリヤニ。チキンは大きくかつ大変ジューシーだった。またビリヤニは、下の方に具がたくさん入っており、薄い味(まぜない)から濃い味(下と混ぜる)が楽しめた。手が汚れたが、レモン入りの温かいフィンガーボールがだされ汚れがよく落ちた。

午後、バスと鉄道を乗り継いで、古くから洗濯が職業の集落ドービーガードへ。鉄道も5駅で1人5rsと格安だ。ドービーガードの周辺は高層ビルだが、この一帯はスラムのような住宅(というと住んでる人に失礼だが)で、職業選択の自由が少ない、またカーストも法律上はなくなったとはいえ社会には根付いている、と感じることができる。

ドービーガードの中には、観光客はお金を払うと入り見学することができる。中には古くからのコンクリートの洗濯石を使って叩き洗いする場所があるのだが、午後に行ったからか人がおらず(午後はもう洗ったのちに干している時間だ)、また洗濯石の周辺にはここにも工業化の波が来ているのか、産業用洗濯機がたくさん置かれていて、昔ほど肉体労働ではないのかもしれない。

その後、西のムンバイの海岸線の砂浜へ。イメージするインドの砂浜の通り、かなりゴミで溢れていたが、みんな楽しそうに砂浜を歩いている。漁船がこぼした魚を食べに来るのか、ハトが砂浜にたくさん集まっているのは不思議な光景だ。またカップルは、インドとは思えないぐらい肩を寄せ合っていた。1番暑い時間帯に行ったためか、二人ともだいぶ汗をかいて体調が悪めになってきたため、Uberでホテルへ戻る。

夜は近くのローカルマーケット、Colaba Marketへ。夜なのに野菜から魚から様々なものが売られている。鶏肉屋は店先のショーケースに数十羽の鶏をつめていて、注文が入るとその場でおろしており、生と死を間近で感じる。ホテルへの帰り道にビーガン料理屋があったので入り、妻はドーサを、自分はターリーを頼む。野菜カレーはどれも美味しく、また野菜が入っていたナン(?)も美味しかった。

そういえば、ムンバイでは牛を全く見ていないなぁ。